【音MAD】UTAUによる人力VOCALOIDの作り方【初級編】

MAD制作方法

今回は、音MADを作ったことがない方に向けて、UTAU」による人力VOCALOIDの作り方を解説します。

人力VOCALOIDとは

人力VOCALOIDとは、アニメなどのキャラクターの声を切り貼りしてまるでVOCALOIDのように歌わせる技術で、音MADにおける制作手法の一つです。

人力VOCALOIDの作り方は大きく2種類ある

人力VOCALOIDの作り方は、大きく分けて2種類あります。

  1. REAPER」で音を引き延ばしたり音程を変えることで作る方法
  2. UTAU」でメロディーと歌詞を打ち込んで作る方法

REAPER」とは、DAWソフト(PCで音楽制作ができるソフト)の一つです。
無料で使えて、数あるDAWソフトの中でも音MAD制作に非常に向いてると言われていることから、音MAD作者に御用達のソフトとなっています。

UTAU」とは、フリーの歌声合成ソフトです。「あ~」とか「い~」などの音声をつないで音程を調整することで歌声を生成できます。「無料で使えるVOCALOIDのようなもの」として知られています。

「UTAU」というソフトについての詳細は、こちらの記事の冒頭で解説しています→UTAUの使い方を解説【初心者向け】


ただ、上記のように人力VOCALOIDの作り方はざっくり分けると2種類なのですが、実は人力VOCALOIDの作り方は千差万別で、細分化するとキリがないくらい人力VOCALOIDの作り方は多岐に渡ります
「REAPER」や「UTAU」を使う場合でも作る人によって作り方が大きく異なったり、「人力VOCALOID」の中でもアニメ・CM・ホモビなどの「どのキャラクターに歌わせるか」によっても若干作り方が変わると思います。
また、「Vocalshifter」というソフトも併用してシンセ化と呼ばれる音声加工をしたり、独特の音の引き延ばし方によって独自の人力音源を作ったりすることもできます。

このように、細かく見ると「人力VOCALOID」の作り方は多岐に渡ります。
ただ、音MADを作ったことがない方やこれから人力VOCALOIDに挑戦したい方は、ひとまず「①REAPERを使う方法」と「②UTAUを使う方法」の2種類があることを知って頂ければ大丈夫だと思います。REAPERとUTAUでは結構違う感じの人力VOCALOIDができます。

REAPERを用いた人力VOCALOIDの作り方はこちらの記事で解説しています→(近日公開予定)

「UTAU」による人力VOCALOIDの作り方

「UTAU」によって人力VOCALOIDを作るためには3つの作業が必要です。

  1. 歌わせたいキャラクターの音声ライブラリを入手または自分で作る
  2. UTAUで原音設定をする
  3. 曲のメロディーと歌詞を打ち込んで人力VOCALOIDを作る

1.歌わせたいキャラクターの音声ライブラリを入手または自分で作る

まずは、歌わせたいキャラクターの「音声ライブラリ」を用意する必要があります。

「音声ライブラリ」というのは、下の画像のように単語ごとのWAVファイルとfrqファイル(周波数ファイル)が大量に格納されたフォルダのことです。frqファイルはUTAUで「原音設定」というものを行うと作成されるものなので、ひとまず単語ごとのWAVファイルをできるだけ揃える必要があります

おちゃめ機能(吹_っ_切_れ_た)で有名な重音テトの音声ライブラリ

歌わせたいキャラクターの音声ライブラリは
①配布されているものをダウンロードして入手する または ②自分で音を切り取って揃える必要があります。
自分が歌わせたいキャラクターの音声ライブラリが配布されていれば楽なのですが、配布されている音声ライブラリはほとんどないので基本的に自分で音声ライブラリを作る必要があります

音声ライブラリの作り方

音声ライブラリの作り方を解説します
例として、「野獣先輩」の音声ライブラリを作りながら解説します。

なんだこのおっさん!?(驚愕)

音声ライブラリの作り方の手順は以下の通りです。

  1. 音声素材をなるべく多く集める
  2. 単語ごとに切り取る

1.音声素材をなるべく多く集める

まずは、歌わせたいキャラクターの音声素材をなるべく多く集めます。本編やセリフ集など、キャラクターのセリフが多く収録されているファイルを集めるのが良いと思います。

2.単語ごとに切り取る

音声素材を集めたら、単語ごとに切り取る作業に入ります。

本編の音声をREAPERに読み込ませて、セリフごとに切り取ります
(音声ライブラリを作るために、ここではREAPERを使ってます。)

次に、単語ごとに切り取ります。(地道な作業!)
鮮明に聞こえる単語だけ切り取るのが良いです。不鮮明で聞き取れない単語はUTAUで使えないことが多いので省きましょう。

最後に、切り取った単語を1音ずつWAV出力したら音声ライブラリの完成です!(また地道な作業!)
REAPERのWAV出力方法は以下の通りです。

  1. WAV出力したい範囲を選択(左クリックしながら左右にドラッグ)
  2. 「ファイル」→「音声ファイルにレンダリング」で出力の設定画面を開く
  3. 保存先とファイル名などを設定して出力する

こんな感じで、1~3を繰り返して1語ずつ出力しましょう。

音声ライブラリが完成すると以下のようなフォルダ構成になると思います。
今回は一部の単語のみを切り取りましたが、本来はなるべく50音すべて最低限「あいうえお」だけは揃えたいところです。(「あいうえお」さえ揃っていれば人力VOCALOIDはできるといってもいいです)

以上、音声ライブラリの作り方を解説しました。

UTAUで原音設定をする

音声ライブラリを作ったら、次はUTAUで「原音設定」をしましょう。
「原音設定」というのは、簡単にいうと「この単語はこうやって歌わせるぞ!」というのを設定することです。
ここで解説する方法は大体5分で終わるものです。

まず、UTAUを開きます。
次に、「プロジェクト」→「プロジェクトのプロパティ」をクリックします。

次に、「…」をクリックして

作成した音声ライブラリのフォルダを探し、どれでもいいのでWAVファイルを選択して「開く」をクリックします。

選択した音声ライブラリが読み込まれたので、「OK」をクリックして閉じます。

次に「原音設定」をします。
「ツール」→「原音設定」をクリックします。

原音設定の設定画面が出てきます。
下の画像に示されているところをダブルクリックして、自動で原音設定をしてもらいます。

「パラメータの推定を行います」と出てきます。「OK」をクリックします。

単語ごとに原音設定をしてもらいます。「はい」を連打します。

これで原音設定は完了です。フォルダ内にfrqファイル(周波数ファイル)と「oto.ini」というファイルが生成されていると思います。

以上、原音設定の方法を解説しました。
本来は、1語ずつ自力で原音設定した方がいいのかもしれませんが、面倒くさいし自動でやってもらえばそれなりのクオリティになるので、原音設定は自動でやってもらいましょう。

曲のメロディーと歌詞を打ち込んで人力VOCALOIDを作る

原音設定まで終わったら人力VOCALOIDを作る前準備は完了です。
後は、曲を決めてUTAUにメロディーと歌詞を打ち込むだけです!

ここでは、UTAUというソフトの基本的な使い方を把握する必要があります。

3つの把握するべきことを下にリストアップしています。

  1. テンポの設定の仕方を把握する
  2. 歌詞の打ち込みを把握する
  3. メロディー(音程と音の長さ)の打ち込み方を把握する

これらを把握できればUTAUによって人力VOCALOIDは作れます。クオリティを上げるためにはいくつかの簡単なテクニックを別途覚える必要があるのですが、UTAUというソフトは非常に優秀なので、基本的な使い方を把握して、ある程度の音声ライブラリを揃えることができれば十分なクオリティのものは作れます

「UTAU」の基本的な使い方は下の記事にまとめていますので、是非こちらをご覧ください!

音声ライブラリを作るコツ

クオリティの高い人力VOCALOIDを作るために音声ライブラリを作るコツを紹介します。
音声ライブラリの質によって、UTAUによる人力VOCALOIDのクオリティは8割くらい決まると思います。

質の高い音声ライブラリを作るために気を付けるべきことを下に3つ挙げています。

  1. 発声がしっかりしている音源を探す
  2. BGMがない・BGMの音量が小さい音源を探す
  3. ゆっくりしゃべっている音源を探す

1.発声がしっかりしている音源を探す

ボソボソとしゃべっている音源だと、UTAUでもボソボソと歌わせることしかできないのでハキハキとしゃべっている音源を探しましょう!

2.BGMがない・BGMの音量が小さい音源を探す

人力VOCALOIDを作る上で、BGMは雑音でしかありません。なので、BGMがないまたはBGMの音量が小さい音源を探しましょう!

(ただ、あえてクソデカBGM付きのガバガバ人力にするという手もあります)

BGMを消す方法についてはこちらの記事で解説しています→(近日公開予定)

3.ゆっくりしゃべっている音源を探す

早口過ぎて1語1語の発音が短いとUTAUでは使えない・使いにくいです。
なので、なるべくゆっくりしゃべっている音源を探しましょう!

以上、音声ライブラリを作るコツを紹介しました。

おまけ

上で作った野獣先輩の音声ライブラリで人力VOCALOIDを作ってみました。
「ちゃんと音声ライブラリを作らないとこうなる」ことを示した失敗例です。
下の動画をご覧ください。

配布されてる音声ライブラリの紹介

音MADでよく使われる一部の音声ライブラリは有志によって配布されていますので、それを紹介します。

MGR姉貴(クッキー☆)

MGR姉貴の音声ライブラリは、クッキー☆MADで有名な「にす兄貴」によって配布されています。原音設定も既にされているようなので、これをダウンロードすればMGR姉貴をすぐに歌わせることができます
(下記のリンクからダウンロードできます)

歪音エナ(レスリングシリーズ)

歪音エナ(兄貴)の音声ライブラリは、歪音エナMADで有名な「地底之民兄貴」によって配布されています。原音設定も既にされているようなので、これをダウンロードすればビリーへリントン兄貴をすぐに歌わせることができます
(下記のリンクからダウンロードできます)

本記事は以上となります。
今回は、初心者向けに「UTAU」による人力VOCALOIDの作り方を解説しました。

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